監査法人の給与はいい?(アメリカの会計ファーム編)
複利厚生ではないですが、文化として「会社での飲み会」「クライアントとの飲み会」などはすべて経費としてコーポレートカードを切りますので、アメリカに来てから交際費はほぼかかっていません。
監査パートナーで1億円超の人も多くいるようで、これは日本では現状ほぼたどり着けない水準です。日本では、税理士法人やコンサルなど、パートナーの成果報酬が大きい場合は超えている模様。
アメリカの報酬が高いのは、訴訟リスクが高く、有事の際に株主から会計士へとんでもない額の損害賠償が来る可能性があること、そして監査報酬が日本に比べてとても高いことなどに起因しています。
とても夢がありますが、エンロン事件などを想像するとパートナーの責任の重さがより大きいことがわかりますね。
試験にチャレンジすべき?コストとリターン
試験のコスト
試験勉強を始めると決めた際に、コスト(何を投資するか)とリターン(どんなプラスの価値を得られるか)を把握する必要があります。
一方、リターンとして得られる給与増加を考慮すれば合格後半年で回収できます。(一般的な新卒給与が20万円だとして、監査法人の初任給31万円との差で毎月10万円程度→1年で120万円ほど給与増)
(モデルケースとして週5~6日、1日10時間勉強を一年半を想定)
参考:会計士 勉強時間はどれくらい必要?トータル勉強時間を少なく済ませるポイント、短期合格の方法とあわせて解説
まとまった時間の投資になるので、上記の時間投資の結果得られるリターンが見合うかどうかは個人判断かと思います。
私の後輩で会計士試験には落ちたけどもさっさと見切りをつけて在学中にアメリカへ留学し、帰国後某有名外資系投資銀行へ就職してた子がいます。
監査法人勤めより給与は高かったようですし、単純に給与だけでいってしまえば一流総合商社などもこれを超えてくるでしょう。
参考:USCPA 勉強時間はどれくらい必要?トータル勉強時間を少なく済ませるポイントとあわせて解説
試験のリターン
試験合格者であれば年収1000万円までは数年で普通に到達可能というところでまだまだ業界の報酬体系は良い方といえるでしょう。
一方で、就職が売り手市場になっている2018年現在は事業会社の業績がいいので、初任給のうまみはもしかすると薄れているかもしれません。
不況期には「手に職をつけたい」「個人で稼ぐ力を身につけたい」という理由からこの資格の人気が高まるのですが、就職時に好況期であっても継続的に勉強し続けることができなければ、社会人としていずれ大成できないことは明確です。会計士試験の学習を通じて、会計だけでなく、法規、税務、企業経営、ファイナンスなど多岐にわたる専門知識を身に着けることで、社会人として学び続ける土壌が出来上がります。
4大監査法人は国内にメンバーファームを有しており、社内異動のような方法で税理士法人・フィナンシャルアドバイザリー・コンサルティングファームなどへの移籍が可能です。私のように、海外のメンバーファームで働くということも可能です。
好況期の今は、外部に1000万円を超える転職オファーがあることも無視できません。30歳頃に監査を一巡経験してマネージャーとなることができるので、一般事業会社のキャリアと比べるとテンポよく経験値を積めて自分の市場価値を効率的に高められることもプロフェッショナルファームならではのメリットかと思います。
(自分の市場価値を客観視したいときはミイダスでぽちぽち質問を進めていくとすぐ算出してくれて面白いです。)
おわりに - 噂の答え合わせ –
いかがだったでしょうか。
最初の噂の答え合わせをして締めくくります。
「年収すぐ1000万円いくってさ」:シニアで残業がんばれば5年目には見えてきます。
「即戦力として入社するからすぐ管理職なれるらしいよ」:新卒だと30歳ごろ(6 – 8年目)に、職歴ありだともう少し早く。
「一般会社行ってノルマのある営業とかやりたくないしな。デスクワークがいいよな」:決算を終わらせるプレッシャーはあるが一般の営業職のようにモノを売る仕事ではないので精神は健全。
「先生って呼ばれながらいろんな会社見れるし、飽きなそう」:新卒でも先生。複数社見る分成長も早い。飽きはシニア一巡頃、ただ税理士法人出向などいろいろとノーリスクな選択肢がある。
「転勤って、国内も海外も希望しなければ基本ないらしいよ。逆に希望すれば結構行けるらしい。」:転勤は希望制で、会社命令の場合は多額の家賃補助がもらえるケースが多い。海外出向は人気で競争になっている。
もっと詳しく会計士の仕事や年収について知りたい方は、一冊まとめ本を読むのが近道です。これから受験するなら、その大きな時間の投資の前に少なくとも1冊は読んでおくことをおすすめします。
現在は以下の書籍が一番まとまってておすすめです。
さて、噂の検証が終わったところで、このようなキャリアを歩むもう一つの方法があります。途中でも紹介しましたがそれはUSCPA試験です。
実はUSCPAも日本においてその有用度は健在で、以下で詳しく解説してます:
資格試験:
年収・キャリア:
最後までお読みいただきありがとうございました。