今回は会計士試験で意識すべき勉強法です。
予備校で受験勉強をしていると、みんな一日中頑張っているのに、なぜか成績に差が出てくるという現象が起こります。
もちろん勉強時間をかけることは重要ですが、それ以上に効率よく勉強することが重要です。
今回は試験になかなか受からない人が意識すべきポイントを5つ紹介します。
ポイント1:「いつか」ではなく、「その都度」解けるようにして明日を迎える
会計士試験の範囲は超膨大です。
したがって、重要なのはその都度理解して明日に負債を残さないようにしながら進めていくことです。
授業期は週3~4での授業がある場合もあるでしょうが、
・授業を受けた日の帰路・風呂・就寝前などで授業内容を思い出す
・翌日にはすぐに対応する問題集を解く
という地道な知識定着を日常でやっていくことが合格への近道です。
・授業中すべて理解する意識をもつ。
・授業直後の復習で上記ができているか確かめる(当日中)。
・翌日にすぐに再度テキストを読む+問題集を解く。
ポイント2:自分のことばで説明できるか毎日振りかえる
一つ目をさらに行動に落とし込みます。
すべての学問で言えることですが、人は学んだ内容を他の人に説明できて初めて自分の知識することができます。
人に説明するのはちょっと・・・という人は、具体的に誰かに説明しなくてもいいです。
毎晩脳内のだれかを作り上げ、その日学んだことを「自分だったらどうやって説明するか、どんなところがポイントなのか」ということをイメージし、脳内で説明してあげてください。
その後テキストをさっと読み直し、自分の説明に含まれていなかったところが自分でも覚えきれていないところです。
このステップに慣れてきたら、予備校の友達と休憩時間に説明のしあいをしてみましょう。
私は受験生時代、友人らとのお昼休憩と晩御飯休憩こういう行動を続けていった結果、いつのまにか周りから聞かれる存在になり、友人に論点を教えることを通じて自分もポイントを再確認し、記憶に定着させていきました。
・受験勉強仲間と説明しあって自分のことばにできるか確かめる。
・脳内で人に説明するならどんな流れで、何を説明するかイメージする。
ポイント3:”わかったつもり”を意識的に発見する行動をとる
簿記会計の領域で注意すべきなのが、無自覚の”わかったつもり”です。
授業を受けたときには理解もしているし、例題も解ける。でも翌日・翌週に問題演習をすると解けない、なんてことはよくある話です。
簿記会計は一つ一つが理解できないほど難しいものではない一方、膨大な知識の整理や知識の使い分けに慣れが必要です。
こればっかりは実際に問題を何度も解いて発見し、克服していくしかありません。
(例えば、リース、社債、貸倒引当金、減損、退職給付、資産除去債務・・・と学習を進めていくと、「割引率は何を使うんだっけ?」という迷いポイントが出てきます。学習した時はわかっていても、他の論点を学んだあとでは迷ってしまうものを洗い出すのも重要な行動です)
一回で受からない人たちは、この“無意識のわかったつもり”がとても多いです。成績上位者も最初はこの状態ですが、彼らは効果的な復習を通じて克服しています。
意識次第で改善可能です。
・一回で解けた問題も、最低3回は解くようにする(翌日→3日後→1週間後、と時間を空ける)
・範囲が広くなってきて迷うポイントが出てきたら、自分で論点横断まとめノートを作る
ポイント4:勉強のスピードを速められるよう意識する
初期は半日かけてじっくりテキストを読み込む、という勉強法が必要です。
一方、試験前には目次を30分くらい眺めてどんどんテキストの内容や関連論点がイメージできる、という状態までもっていく必要があります。(これができれば午前中だけで6科目の復習を一巡することができます)。
広範な試験範囲に対して、直前期は「苦手なところだけやる」というやり方では「苦手じゃなかったところ」がおろそかになります。
したがって、直前期は全範囲を高速で思い出すような勉強が非常に効果的です。
最後まで同じスピードで勉強していたのでは間に合わない、という意識をもつことが重要です。
・普段から問題集の間違えた内容などをテキスト(orノート)に書き込んでおき、これさえ読めばOKという一冊を作る。
・問題演習の都度上記のテキストをもう一度読み、演習とセットでインプットして記憶に残していく。
・わかるようになっても上記の行動を続け、スピードと精度を上げる。
ポイント5:直前期だけでなく、授業がある入門の時期こそ勉強時間を確保する
「入門期(授業が始まったころ)はそこまで大変じゃないけど、直前期は毎日勉強しないといけないので大変」ということをいう方がいます。
人それぞれですが、このスタイルは本当にしんどいです。
理由は大きく2つあって、
・生活リズムが途中で変わる
・(授業の都度完璧に知識を定着させていかないと)直前期に新しいことを勉強する余裕がなくなるため、です。
初学者の勘違いでよくあるのが、「授業で習った内容を試験までに全部覚えれば合格できるんでしょ?」です。
実は授業期に学んでいる内容は本当の基礎知識で、予備校は「答練」という試験形式でどんどん新しい内容を提供してきます。
つまり、短答式試験直前も論文式試験直前も授業期の内容はわかることを前提として、どんどん応用問題を追加してくるのです。
したがって、ポイント1にも共通しますが、最初から完璧に記憶に定着させながら進めることが最も効率が良く楽な学習方法なので、授業期こそ勉強時間を確保することが重要なのです。
(私は入門期から直前期まで、週5~6日予備校に行っていましたが、一貫して日曜日だけは絶対に勉強しませんでした。無理な早起きや睡眠時間を削ったりもしませんでした。)
最初からしっかり計画を立てていれば、直前に焦る必要はなく、追い込まれなくても十分上位合格可能です。
・ポイント1に立ち返り、しっかり毎日理解して進める意識を持つ。
・勉強を習慣化するために、「休みの日」を決める。
・全体の勉強スケジュールイメージを立てる。(参考:会計士 勉強時間はどれくらい必要?一発短期合格のための計画のたて方とは)
おわりに
いかがでしたでしょうか。
勉強や試験対策というのは精神論的なところもあるので、上記の「行動例」から取り入れられそうなものを採用していただければと思います。
上記でも少しふれましたが、私は完全に会計士試験勉強の18か月間、「日曜日は勉強をしない」を貫きました。
資格学習のための「週休1日」のすすめ
→難関試験のためには毎日勉強が当然、と思われがちですが、
日曜日は試験勉強以外のことをする!と決めることで、
1.平日の自分を追い込む
2.休息がとれる
3.フルキャパで予定を組まないことで気持ちに余裕がでる勉強は時間能率を上げた人が勝つのです。
— カワキタ/ 海外にいる会計士 (@kawakitablog) February 7, 2019
勉強全体をスケジュール管理し、時間能率を上げ、しっかり実行していく。
受験生活を通じて監査のプロジェクトマネジメントみたいなことをみんな無意識にやっているわけですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。